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【講演ダイジェスト】EC通販トレンドセミナー
2017年もトレンドをつかみ 成長を続けるEC通販戦略とは?!
Ⅰ.デジタル時代の顧客体験(UX)を見据えたマーケティング戦略とは

2017年3月14日

AI、ビックデータ、オムニチャネル、越境ECなど、目まぐるしくトレンドが移り変わる EC通販業界において、2017年も成長を続けるための戦略ノウハウをご提供。 ネットイヤーグループ、ヤマトフィナンシャル、ワークスアプリケーションズ、それぞれ異なる 角度からEC通販事業者を支援するパートナーより移り変わる業界の波に乗り遅れないための情報 をお届けしました。 「溢れる情報の中から、正しい選択をするための情報収集をしたい」、「2017年も高い目標を 達成したい」EC通販事業者様に向けたオールインワンセミナー。

開催概要

開催日:2017年1月27日(金)15:00~17:30
開催場所:赤坂溜池タワー

Ⅰ. デジタル時代の顧客体験(UX)を見据えたマーケティング戦略とは

片山様

ネットイヤーグループ株式会社
カスタマーエクスペリエンス事業部
第1プロデュースグループ
ディレクションチームリーダー
片山 純平  氏

1998年よりWebディレクターとして、大手Webポータルの企画・開発を中心に 情報サイトの立ち上げに従事。 2005年に日本最大のオークションサイトのデータマイニングチームの発足に 携わり、ECサービスのデータ分析経験を積む。 2011年から、医療従事者向けWebサービス事業でWebコンサルティングを行う。 2013年ネットイヤーグループに入社。プロジェクトマネージャーとして顧客 データの分析と、それに基づくビジネス提案を主に実施。

Ⅱ. ECサイトにおけるAI・ビッグデータ活用の今と未来

小嵜

株式会社ワークスアプリケーションズ
製品開発本部ECシリーズ エグゼクティブアドバイザー 小嵜 秀信

EC通販事業会社代表取締役社長、EC通販サイト構築会社代表取締役社長を経て現職。EC通販サイト構築PM・運営経験暦14年。 

Ⅲ. ECのバックヤード見直しは成長に必須。クロネコヤマトができるお手伝い

佐多様

ヤマトフィナンシャル株式会社
営業戦略部 チーフマネージャー 佐多 志郎 氏

2009年4月 ヤマトフィナンシャル株式会社入社。EC決済の商品企画・開発を 経験し、その後、営業職として、大手流通・メーカーのECサイト立ち上げや リニューアル支援をヤマトグループ各社との連携にて多数経験する。 現職ではパートナーアライアンス、社内の営業推進を担当。



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seminertop Ⅰ. デジタル時代の顧客体験(UX)を
見据えたマーケティング戦略とは

インターネット時代における顧客行動の変遷

まず1995年くらいにインターネットという言葉が一般的になってきて、マスメディアなどに取り上げられるようになり、「これからはインターネットと店舗が戦う時代」だと言われていました。

最初の頃は対立の構図だったのですが20世紀終わりごろ、2000年になると「クリック&モルタル」と言われ始めました。クリック&モルタルの「クリック」はインターネット、「モルタル」はリアルの店舗のことを指します。 実在の店舗にマウスをクリックするような要素が加わって、この二つが融合するという意味です。店舗販売とインターネット販売の良さを組み合わせて構築したビジネス手法です。

企業が店舗のほかにインターネット通販のサイトを立ち上げて顧客を呼び込もうとしたのがこの時代です。

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ここに「期待と失望」とあるのですが、これは顧客の期待と失望です。なぜ失望したのかというと、最初の期待値は高かったのですが、一言でいうと不便だったのです。 インターネットの普及はしていたのですが、通信速度も遅く、ネットで見られる画像も粗くて実物の商品がどの様な物かわからないといった状態でした。 企業はお金をかけてインターネットサイトを作っていたのですが、顧客からするとインターネットで買ったからといって実店舗より安いわけでもなく、送られてくるのに時間がかかるし、決済手段は限られているし、使えるクレジットカードも限られているなど、顧客にとって不便だったのです。このような理由から、ネット販売事業は売り上げを伸ばすことが出来ずに、リアルと棲み分ける時代が始まります。

変化を迎えたのは2010年ごろ、スマートフォンが登場し、同時にソーシャルメディア(SNS)が台頭してきたのです。スマホによってどこにいても何をしていてもインターネットにアクセスできるようになりました。 SNSがあれば誰とでも繋がることができ、インターネットの身近度が増しました。

そして、2013年、今から4年前から「オムニチャネルの時代がきた」と言われるようになりました。 インターネットの購買ビジネス、購買行動の変化となります。 オムニチャネルについて簡単にご紹介します。 オムニとはラテン語で「全て」という意味で、販売や流通などあらゆるチャネルを統合することにより、どのようなチャネルからも同じように商品を購入できる環境を実現することを言います。 この言葉が使われ始めたのが2010年頃で、アメリカの「Walgreens」が先駆けと言われています。 日本で言うと「マツモトキヨシ」のような多店舗展開している薬局チェーンである同社は、「複数の流通経路でお店にアクセスしてくるお客様は、単一の流通経路のお客様より6倍の価値がある」とし、店舗とネットで買ってもらう、複数のチャネルで購買してもらえるように顧客を誘導する戦略に取り組みました。

「一回買った商品のバーコードを読み込んでそのまますぐネットで買える」とか、「アプリをダウンロードしてチェックインすると注文した商品をドライブスルーのように駐車場まで持ってきてくれる」などです。

デジタル時代の顧客とは?

では、デジタル時代と言われている現代において顧客は何を考えてどんな行動を取るのか、というお話をさせていただきたいと思います。 現代は、特にスマホがあるがゆえに、顧客は「何かしたい」とか「何か調べたい」と思った時、瞬時に行動します。すぐに、手元にあるスマホやタブレットで情報収集をしたり、購買することもできます。その結果、刹那的な衝動に従って行動するようになっています。

これをGoogleは「マイクロモーメント」と名付けました。このマイクロモーメントにこそ、ユーザーのニーズが潜んでおり、そのニーズに対して適切なタイミングで適切なメッセージを届けることが非常に重要であると言われています。

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これまでは顧客が情報に触れるメディアは非常に限られていました。 認知段階では広告で知って、それを検索して調べて、そのあとお店で買って、感想をウェブサイトに書き込むくらいでした。 しかし今はかなり顧客の行動というのが幅広く複雑になってきました。 こちら(上図)は現代の購買行動をマッピングしたものです。某コンビニエンスストアチェーンにおけるカスタマージャーニーをご紹介します。

例えば、「コンビニに行きたいな」と思いついた時に、「近くにコンビニがないかな」とスマホで探します。コンビニに行くと、何かのキャンペーン告知が店内にありました。興味があるのでスマホで写真を撮ってTwitterでつぶやきました。「該当商品をお買い上げの方が参加できます」というキャンペーンだったので、商品を買いました。家に帰って商品の情報をもとにサイトで申し込みをすると、申し込んだ情報が今度はメールで届きます。

こうしてジャーニーにするとわかりやすいのですが、このユーザーは目的を果たすまでにオンラインとオフラインを行ったり来たりしてます。 しかもオウンドメディアとリアル店舗だけでなく、外部のメディアも駆使して情報を閲覧しています。 この人はただ「コンビニ行きたい」と思いぶらっと行っただけで、特にこのキャンペーンに参加しようという欲求はなかったのです。

使っているメディアも「オンラインなのか、オフラインなのか」とか「オウンドメディアなのか、外部メディアなのか」とか全く意識してない状態で、メディアに触れています。これが現代の顧客行動の特徴です。

今、情報量の爆発的増加が起こっており、選択可能情報量は消費可能情報量の2万倍になっています。 選択可能情報量というのは、我々が触れることのできる情報量です。 それに対して消費可能情報量というのは実際に見る(認識する)ことができる情報量です。

要は、一日1冊しか本を読めない人に対して、毎日家に2万冊本が届くような状態です。 つまり、届けられる情報のほとんどは目にすることもできません。 ある有名なアメリカのマーケッターは、「今、世の中にある情報量は地球上にある砂粒の数と同じ」という試算を出しています。

これだけ情報が増えると、当然ですが顧客は信頼できる情報を選んでいかなければいけません。 信頼できる情報とは何なのかというと、やはり身近な情報です。

例えば口コミで自分と似たような特性の人が評価しているとかそういった情報が重要視されます。 情報量が多すぎるなかで、企業の情報よりも、他の顧客の言葉が大事にされるというような流れになっています。 これも、現代の顧客行動の特徴です。

顧客体験(UX)の重要性を考える

ところで皆さん、宝くじは買われたりしますか?弊社ネットイヤーグループのオフィス近くにある西銀座チャンスセンターには日本で一番有名な宝くじ売り場があります。それは1番窓口です。 西銀座チャンスセンターの1番窓口が有名な理由は、買うと当たると言われているからです。

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ここには実は窓口が3つあります。2番3番窓口もあるのですが、こちらには全然人が並んでいません。

一つの窓口だけに並んでいます。他で買えばいいのではと思いますが、みんな1番で買いたいのです。 並んでいる人は地方から来て、わざわざ一、二時間並ぶ方もいます。同じものを他で買えるのに、なんて合理的じゃないんだと思っていたのですが、私は見方を変えました。 宝くじを買うときは、自分で番号を選べるわけではく、買って、お金を払って、あとは祈るのみです。

自分の選択肢が非常に狭すぎるのです。要は当たるためにできることが少ないのです。 ですので、並ぶ人は少しでも当たる確率を上げたいと思ってここに並ぶわけです。 つまり、ただ運だけしかない宝くじというゲームに、「ここで買う」という顧客体験が追加されるのです。

このように、「欲しいものさえ手に入れば、その過程はなんでもいい」という風に人は考えるわけではないのです。 特に、日本の場合は全体的にサービスの質は高く、どこに行っても高いホスピタリティを得られるのが当然であり、どこのお店に行ってもおいしく、店員さんは優しいですし、安いからサービスが低いなんてことはないです。そのため、どこで買っても一緒、何を買っても一緒だと感じてしまうため、「どこで買うか」「どうやって買うか」のような体験を求めます。これが現在の顧客の欲求です。

セブンアンドアイホールディングスの鈴木会長が「現代はコト消費の時代」という言葉をおっしゃっていたのですが、今までは「所有価値」を重視する「モノ消費」の時代でした。 「丈夫である」「長持ちする」「かっこいい」「機能的だ」こういうところでサービスや商品を選んでいたのですが、今はサービスを得るまで、あるいは得た後の「体験」を重視する時代になってきました。 買うまでにどれだけ楽しめるか、買うときにどれだけインパクトがあったか、どれだけ面白いことがあったか、買った後に使ってみて幸せになれたかなど、サービスや物を通して得られる「体験価値」が購買の判断基準になってきているのです。

先ほど顧客行動のところでお話したとおり、顧客行動がマイクロモーメント化してきていて、企業メッセージや、企業目線のPRは誰も欲しがっていないのです。 一方で、買いたいものはどこでも買えるし、簡単に買えるから、とにかくちょっとでも体験に不満があったら使いたくないのです。24時間買えないとか、ポイントがないとか、送料無料じゃないとか、定価しかないとか、宣伝いらないとか、顧客がものすごいわがままになってしまっているのです。 もう買えるのは当たり前なのでとにかく気持ち良くなることを求め始めています。

そこで「顧客中心主義」という言葉が出てくるのですが、Amazonが掲げている企業ビジョンに「Our vision is to be earth’s most customer centric company」=「我々のビジョンは地球上でもっとも顧客中心の会社になることだ」というものがあります。

また、Googleは毎年のように検索エンジンのアルゴリズムを更新しているのですが、別にSEO業者をいじめたいわけではなく、Googleにとって検索エンジンというのは一番自信をもって提供しているサービスなので、これがユーザーにとっていかに有益かということはGoogleにとっては非常に重要なことなのです。

なぜならユーザーにとって有益である、気持ちよく使えるものでなかったら誰も使わなくなります。誰も使わなくなったらGoogleの企業価値が落ちます。 企業価値が落ちてしまったら誰もGoogleに広告を出稿してくれなくなり、つまりGoogleは儲からなくなってしまいます。

つまりユーザーにとって有益かどうかを考えることはもうGoogleの起業命題として絶対に必要なのです。 Googleのように「ユーザーのために必要だからやっている」ということをやっている企業は特に海外では増えてきているようで、一部の大企業では経営側に「チーフエクスペリエンスオフィサー」と呼ばれるユーザー体験を考える責任者を置く企業が増えてきています。

「顧客」から「個客」へ導く
これからのマーケティング活動

では顧客を、顔の見えるお客様として体験を与えていくために何が必要なのか、ということを3つだけお話します。 1つ目に「マイクロコンテンツ」。 2つ目が「サービス・ドミナント・ロジック」。 3つ目が先ほども出た「オムニチャネル」です。

まずは「マイクロコンテンツ」です。 マイクロコンテンツというのは、マイクロモーメントに合わせたコンテンツという意味です。 顧客の欲求は移り気で、どんどん行動も変わってしまうという中で、特に見られているのはスマホです。従って、長文で文字が小さかったりすると誰も見てくれない。 ユーザーが自分の期待に合う情報かを判断する時間というのは一瞬です。 こうした、一瞬できちんとユーザーに情報を届けるというような目的で作られるのがマイクロコンテンツです。 事例として、Yahoo!トピックスの見出しがあります。 Yahoo!トピックスを見られる方は多いと思うのですが、これは有名な話ですけども、見出しは13文字で統一されています。 読ませるのではなくて見せてインパクトを与えるのに、13文字が適正であると辿り着いたので、いかにこの13文字でインパクトを与える見出しを作るか、ということにかなりの時間を割いています。

マイクロ化すると言っても先ほどからお話しているようにインパクトが必要なのです。 なぜならインパクトがないとすぐに忘れられてしまう。なので情報は最小にして、なおかつインパクトは与えなければいけないという、非常に矛盾した命題を、我々はつきつけられています。

そして2つ目に、「サービス・ドミナント・ロジック」という考え方です。 これはさきほどのコト消費と同じで、今までは「グッズ・ドミナント・ロジック」、つまりモノ優先でしたが、これからはサービスを優先しましょうという考え方です。サービスとは何かというとモノ以外の全てです。 モノを含めたすべてを提供するという考え方が「サービス・ドミナント・ロジック」という考え方です。

例えば「サービス・ドミナント・ロジック」 のわかりやすい事例としてNikeがあります。Nikeというと「スポーツメーカー」です。ただしNikeは最近そういった売り方をしていません。「我々はスポーツ用品を売るメーカーではありません」と。「我々はアスリートをサポートするメーカーです」という風に言っています。

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こちらは「Nike+」というアプリなのですが、このアプリを使うと日々の行動、自分のフィジカルトレーニングの行動が記録され、次はどういうレベルの運動がいいのか、アドバイスをしてくれます。それに合わせた靴とか、器具を合わせて提供していて、モノを売ることがメインではなくて、運動を楽しみたい人をサポートするような形で提供していく、トータルで提供していく企業であるというメッセージを打ち出しています。

3つ目に、「オムニチャネル」です。 企業がオムニチャネルによるコミュニケーションを実現するためには、従来の枠組みを超えた仕掛けであったり、プラットフォームが必要になってきます。これは単に「店舗とネットの両方で物を売る」という事だけでなく、ユーザーのデータを漏れなく捉え、かつそれを活かした施策が打てる仕組みを構築することが必要になってきます。

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事例を紹介したいと思います。BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)です。 こちらは我々ネットイヤーグループの事例で、「蓄積された顧客データを活かしてOne to Oneプロモーションを実現しましょう」というプロジェクトです。 従来、ECは靴と非常に相性が良くないと言われてきました。 なぜかというと、サンダルもそうなのですが、履物というのは結構その人に合うものを探すのは難しいのです。そこで店頭に来てくれた方を会員化し、その会員さんに対してWEBでコミュニケーションを行ってLTV(顧客生涯価値)を上げていく取り組みをしました。 買った後のサポートをしたり、イベントの紹介をしたり、そういったところで「繋がっていく」というのがこのプロジェクトです。

会員登録をするって非常に面倒くさいですよね。登録するには何かメリットがないとダメだろうということで会員登録のメリットがあるプログラムを作ったり、どういうところで会員化のきっかけを作れるか、といったチャネル開発をして、それをカスタマージャーニーにして、当然ターゲットによって違いますので、ターゲットを設定して、来店動機であるとか、購入までのプロセスであったりとか、購入してから会員化するまでのプロセス、会員化してからコミュニケーションのプロセスというものを描いて出来たのがこの「FitClub」という会員サービスです。

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「フィット」というのは靴がフィットするというだけではなく、「Fit for your comfortable life」と書いてありますが、「靴だけでなくあなたの生活をサポートします」というコンセプトで立ち上げています。

会員サービスのページは、会員登録するのにどこがボトルネックであるのか、どこでユーザーが躓くのかというのをきちんと可視化するために会員登録の全体像を作ってユーザーパターンごとにそれぞれ施策というものを打ち出してきました。

「直営店に買い物に来た人」「その他の店で購入する人」「ECで買う人」など、それぞれのユーザー行動ごとに会員登録に導くコミュニケーションは違ってきます。そうした顧客のパターンごとにユーザー体験を可視化し、それらに合わせたシナリオを描くことでオンライン・オフラインの垣根を超えて顧客と継続的に対話するコミュニケーションプランを創出することが出来ます。 ネットイヤーグループではこうしたUXを中心としたオムニチャネル、チャネル開発のプロジェクトをご支援しております。

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この記事に関するお問い合わせ先

株式会社ワークスアプリケーションズ
広報担当:岡田・太田

TEL:03-6229-1210    FAX : 03-6229-1211    Eメール:pr@worksap.co.jp